ジニ(読み)じに(その他表記)Corrado Gini

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ジニ」の意味・わかりやすい解説

ジニ
じに
Corrado Gini
(1884―1965)

イタリア人口学者、社会学者、統計学者。カリャリ大学(1909~1913)、パドバ大学(1914~1925)で教鞭(きょうべん)をとったのち、1925年からローマ大学教授。イタリアおよび国際社会学会会長を務め、1930年(昭和5)に国際統計学会第19回大会出席のため来日している。人口学および社会学の分野では、生物有機体の成長・衰退過程との類推から、民族興廃を証明しようとした「新有機体説」が有名であり、また統計学の分野では、所得分布に関する統計的関係式である「ジニの法則」によって広く知られている。

高島 忠]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ジニ」の意味・わかりやすい解説

ジニ
Gini, Corrado

[生]1884.5.23. モッタディリベンツァ
[没]1965.3.13. ローマ
イタリアの社会学者,統計学者。ボローニャ大学卒業後,カリアリ大学,パドバ大学を経て 1925年ローマ大学教授。イタリア社会学会会長,統計学会会長,国際社会学協会会長を歴任。イタリア社会学の一つの伝統的命題ともいえる民族の興亡を,階級の周流の問題としてとらえ,人口学的要因を重視した。ジニによれば,一民族における発展の消長曲線は,諸階級間の「人口学的新陳代謝」Ricambio demograficoの種々の段階と関連し,それは放物線を描きつつ衰退に向かうという。主著『新有機体説』Il neoorganicismo(1927),『国家の誕生,発展,死』Nascita, evoluzione e morte delle nazioni(1930)など。(→ジニ係数

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