1897年にイタリアの経済学者V・パレートが、所得分布について発表した法則。彼は、1880~90年代のヨーロッパ諸国の統計を分析して、各個人の所得金額xと所得金額x以上の所得者累計Nxとの間に、
なる関係のあることをみいだした。Aとα(アルファ)は、分析の対象となっている所得者集団に固有の正の定数である。この関数を両対数の方眼紙上に描くと右下がりの直線となるが、実際の統計数値をこの図表上にプロットすると、ほぼこの直線で近似されるという法則である。そして、その近似直線によって定まる勾配(こうばい)のαは、その所得分布の不均等の度合いを示す尺度となり、αが大なるほど、所得の不平等度は増大すると解釈した。
[高島 忠]