ジャンニーニ(その他表記)Amadeo Peter Giannini

改訂新版 世界大百科事典 「ジャンニーニ」の意味・わかりやすい解説

ジャンニーニ
Amadeo Peter Giannini
生没年:1870-1949

世界最大級の銀行バンク・オブ・アメリカ(バンカメリカ)の創設者。イタリア移民の子としてアメリカのカリフォルニア州に生まれ,若いころ農産物を取り扱う父親の事業に従事した。1901年コロンブス貯蓄組合の重役になったが経営方針で他の重役と対立して辞任し,04年サンフランシスコにイタリア銀行を設立,06年のサンフランシスコ大地震の際はいちはやく貸付けを行って市の再建に寄与した。その後,小銀行をつぎつぎと合併して支店網を拡大し,持株会社を設立してそれらを統轄した。30年にバンク・オブ・アメリカとなり,45年にはアメリカ最大の銀行に成長した。ジャンニーニは,従来銀行の顧客からはずれていた大衆や小事業主に対しても少額貸付けを行い,支店網を張りめぐらせて業務を拡大するという経営方針を貫き,近代的な銀行業務の確立に貢献した。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のジャンニーニの言及

【バンカメリカ[会社]】より

…本社サンフランシスコ。創業は,1904年にイタリア移民の子ジャンニーニAmadeo Peter Giannini(1870‐1949)がサンフランシスコのノース・ビーチに資本金15万ドルで設立したバンク・オブ・イタリーBank of Italy(1927年にBank of Italy National Trust and Saving Associationに改組)にさかのぼる。ジャンニーニの,小口の預金や融資などのリテール業務を重視する経営は,06年のサンフランシスコ大震災の際の同市復興金融での同行の活躍を契機として評価を高めた。…

※「ジャンニーニ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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