普及版 字通 の解説
9画
[字訓] したがう・ついに・おとす
[説文解字]
[字形] 象形
殺(たくさつ)されている犠牲の形。この犠牲を供することによって、ことを遂行する。〔説文〕二上に「に從ふなり」とし、(八)を相背く意として字を部に属するが、はこの字においては耳の形である。金文にこの字を(墜)の意に用い、〔毛公鼎〕「女(なんぢ)敢て(おと)すこと毋(な)く、乃(なんぢ)の(こと)に在れ」のようにいう。は神の降る神梯((ふ))の前に土主を祀り、犠牲を薦める形で、神の降り立つところ、すなわち地の初文である。道路で犠牲を用いる字に(述)・(術)があり、は金文に(遂)の意に用い、ことを継続し、遂行することをいう。
[訓義]
1. したがう、ついに。
2. 遂と通じ、その初文。
3. 墜と通じ、おとす。
[声系]
〔説文〕に声として・(隊)、声として・隧などの字を収める。みなを犠牲とする祭儀を示す字である。
[語系]
・・隧ziutは同声。は犠牲を用いて祓い、そのまま進行する意。・djiutも声近く、道路の呪儀をいう。〔説文〕二下にはまた「循(したが)ふ」と訓し、と同じく行為を継続する意がある。朮(じゆつ)はその牲獣の形。
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報