みな

朝日日本歴史人物事典 「みな」の解説

みな

生年生没年不詳
幕末期,武州多摩郡上川原村(昭島市)における,所持地不正利用,年貢賦課不正にかかわる訴訟「運平・みな一件」の中心人物。出身村不明。村役人組合のものを相手取り,弘化2(1845)年から嘉永6(1853)年まで足かけ9年間の訴訟を示談成立まで,当初は上川原村の夫運平と共に,夫病死後はみなが主体となって闘った。女性がこのような訴訟の主体となること自体注目されるが,このような行為をとりつづけることができたのは,みなが村外者ゆえに,村の共同体的諸束縛にとらわれなかったこと,19世紀半ばという時代状況にも基因している。<参考文献>菅野則子「女と村と家」(『地方史研究』226号),『昭島市史』7編

(菅野則子)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「みな」の解説

みな

?-1863 幕末の女性。
武蔵(むさし)多摩郡(東京都)上川原村の農民,運平の妻。名主義兄を相手どり,所有地小作料の横領,不正課税などで弘化(こうか)2年(1845)より夫とともに訴訟をおこす(運平・みな一件)。夫の没後もたたかいつづけ,嘉永(かえい)6年(1853)の示談成立後も村の支配層をなやませた。文久3年死去。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

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