スギドクガ(読み)すぎどくが

日本大百科全書(ニッポニカ) 「スギドクガ」の意味・わかりやすい解説

スギドクガ
すぎどくが / 杉毒蛾
[学] Calliteara abietis

昆虫綱鱗翅(りんし)目ドクガ科に属する昆虫。雌雄によって大きさや色彩に差がある。雄は開張40ミリメートル内外、雌は60ミリメートル内外。雄のほうが黒っぽく、前翅の基部近くだけが銀白色。触角櫛歯(くしば)は雌では非常に短い。ヨーロッパから日本まで分布し、日本産はargentataという亜種に分類されている。北海道から屋久(やく)島まで分布している。春と夏の年2回成虫が発生し、よく灯火に飛来する。幼虫スギサワラヒノキの葉を食べる害虫で、多発すると山林にかなりの害を与える。若齢幼虫で越冬する。

[井上 寛]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例