化学辞典 第2版 「スティーブンス転位」の解説
スティーブンス転位
スティーブンステンイ
Stevens rearrangement
窒素原子に隣接する炭素上に電子求引性基(EWG)をもつ第四級アンモニウム塩に,強塩基(ナトリウムアルコラートやナトリウムアミドなど)を作用すると,窒素上の置換基の一つが隣接する炭素上に転位して,第三級アミンを与える反応のこと.窒素上の置換基のなかで,フェナシル基(C6H5COCH2-),プロパルギル基,アリル基,ベンジル基が転位を起こしやすい基であり,分子内で転位することが確かめられている.現在,イオン対中間体,ラジカル対中間体を経る二つの反応機構が考えられている.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報