スティーブンス転位(読み)スティーブンステンイ

化学辞典 第2版 「スティーブンス転位」の解説

スティーブンス転位
スティーブンステンイ
Stevens rearrangement

窒素原子に隣接する炭素上に電子求引性基(EWG)をもつ第四級アンモニウム塩に,強塩基(ナトリウムアルコラートナトリウムアミドなど)を作用すると,窒素上の置換基の一つが隣接する炭素上に転位して,第三級アミンを与える反応のこと.窒素上の置換基のなかで,フェナシル基(C6H5COCH2-),プロパルギル基,アリル基ベンジル基が転位を起こしやすい基であり,分子内で転位することが確かめられている.現在,イオン対中間体,ラジカル対中間体を経る二つの反応機構が考えられている.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

今日のキーワード

USスチール買収問題

日本製鉄は2023年12月、約141億ドル(約2兆2千億円)で米鉄鋼大手USスチールを完全子会社化する計画を発表した。国内の鉄鋼市場が先細る中、先進国最大の米国市場で、高級鋼材需要を取り込み、競争力...

USスチール買収問題の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android