日本大百科全書(ニッポニカ) 「スノー・サーベー」の意味・わかりやすい解説
スノー・サーベー
すのーさーべー
snow survey
山地などに降り積もった雪の量を知るための調査で、積雪測量ともいわれる。多雪地では、春の融雪期から初夏への河川流量は集水域内の積雪量に大きく影響される。水力発電や農業用水など水資源利用計画の合理化、あるいは融雪出水対策には、まず、この包蔵積雪量を知る必要がある。流域内至る所の積雪相当水量がわかれば総量は簡単に求められるが、実際には不可能であるため、いろいろな推定法がくふうされている。スノー・サンプラーの観測データから主要地点の積雪平均密度が与えられれば、積雪深がわかった地点の相当水量が推定できる。このために山野での実地観測が行われる。積雪分布の地形による特徴を加味して推定精度をよくしたり、決まった観測コースに沿った積雪量から総量を推定したりする。実地観測は労力がかかり、ときには危険を伴うので、無雪期と多雪期の空中写真を比較して積雪深の分布を算定する方法も利用される。
[篠原武次]