スルタン・ワラド(読み)するたんわらど(その他表記)Sultān Walad

日本大百科全書(ニッポニカ) 「スルタン・ワラド」の意味・わかりやすい解説

スルタン・ワラド
するたんわらど
Sultān Walad
(1226―1312)

ペルシア神秘主義者詩人。偉大な神秘主義詩人ルーミーを父として生まれ、生涯トルココニヤコンヤ)で過ごした。父没後の1291年、父の生涯をモチーフに長編叙事詩『ワラドの書』を発表。これはルーミー研究の貴重な資料と目され、父がつくった神秘主義メフレビー教団の基礎を確立した。ほか叙情詩、四行詩からなる詩集を残し、後世トルコ文学に注目すべき影響を与えている。

[黒柳恒男 2016年10月19日]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「スルタン・ワラド」の意味・わかりやすい解説

スルタン・ワラド
Sulṭān Walad, Bahā al-Dīn Aḥmad

[生]1226
[没]1312. コンヤ
ペルシアの神秘主義詩人。大神秘主義詩人ルーミーの子。父亡きあと神秘主義教団の指導者,詩人としてルーム・セルジューク朝時代に活躍した。主要作品『ワラドの書』 Walad-nāmeは叙事詩形による詩集で,父ルーミーの生涯と教えを主題とし,ルーミー研究に不可欠な資料である。

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