スロー・デザイン(読み)すろーでざいん(その他表記)slow design

知恵蔵 「スロー・デザイン」の解説

スロー・デザイン

スロー・デザインは、イタリアで生まれたスローフード運動を起源とする、デザインに対する考え方である。モダン・デザイン以来の大量生産による「早い・安い」「簡単・便利」に対抗して、少量生産と「手間・暇」を見直すもの。LOHAS(ロハス)は、Lifestyles Of Health And Sustainabilityの略語米国で注目されている健康と持続可能な社会生活を志向するライフスタイルのこと。1970年代以降、先進諸国では大量生産、大量消費による環境破壊が進行、90年代には、環境汚染異常気象などに直面する。現状のままでは、環境破壊をさらに助長し、持続性のある社会生活を営めないという危惧から、健康や環境に関心をよせる消費者層が米国に登場。自然食品や、自己啓発事業、環境問題に前向きな企業の商品など、LOHASスタイルを取り巻く消費市場が拡大中である。2002年9月、日本に初めてLOHASが紹介され、以後注目を集めている。

(武正秀治 多摩美術大学教授 / 2007年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

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