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異常気象 いじょうきしょう

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

異常気象
いじょうきしょう

世界気象機関 WMOの取り決めでは,日々年々変動する気象要素の 30年間の平均値(平年値)を求め,この値を平年の気候と定義し,この値から著しく変化した天候を異常気象と定義している。月平均気温のように正規分布する気象要素の場合は,30年間の標準偏差の約 2.2倍以上平年値からかたよった場合にあたる。

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知恵蔵2015の解説

異常気象

一般に過去に経験した現象から大きく外れて、人が一生の間に希にしか経験しない現象(30年間に1回程度)。大雨や強風などの数時間の激しい現象から数カ月も続く干ばつ、冷夏などの気候の異常まで含む。統計的には平年値からの偏りが標準偏差のおよそ2倍以上になった場合を、異常高温異常低温や異常多雨・異常少雨などと呼ぶ。偏西風の流れの異常により発生するが、原因には太陽活動の変化、火山噴火などの日傘効果、人間活動による温室効果エルニーニョなどの海面水温の異常、シベリアの積雪面積の多少、土壌水分の増減、などがある。

(饒村曜 和歌山気象台長 / 宮澤清治 NHK放送用語委員会専門委員 / 2007年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵2015」
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デジタル大辞泉の解説

いじょう‐きしょう〔イジヤウキシヤウ〕【異常気象】

過去30年ほどの気候と比べて著しく違う気象現象。豪雨長雨干魃(かんばつ)のように人間生活に不利になるものをさすことが多い。

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百科事典マイペディアの解説

異常気象【いじょうきしょう】

一般的には,その地点,その季節に,平常的に現れる気象とは異なった現象や状態を異常気象というが,実際には広くさまざまの意味に用いられている。しかし近年,干ばつ,寒波,熱波,大雨などの現象が世界的に頻発し,異常気象として問題になっているが,この場合,月平均気温や月降水量が25〜30年に1回以下しか起こらない値を示すような現象を異常気象という。

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世界大百科事典 第2版の解説

いじょうきしょう【異常気象 unusual weather】

気温,降水量などの気象要素が過去30年以上にわたって観測されなかったほど著しく高い(多い)かあるいは低い(少ない)値を示す場合で,統計的にいって30年に1回以下の出現確率(確率1/30以下)の現象を気象庁では異常気象と呼んでいる。つまり気象要素が正規分布する場合には平均値から標準偏差の約2.2倍以上偏った場合に当たる。世界気象機関(WMO)では25年を基準にとっているが,気象庁では30年を基準にしている。

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大辞林 第三版の解説

いじょうきしょう【異常気象】

過去30年以上にわたって観測されなかったほど、まれな気象現象。また、一般的に平年より著しく異なった気象現象や、建造物や農作物に壊滅的な被害をもたらした気象現象をもいう。

出典|三省堂
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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

異常気象
いじょうきしょう
unusual weather

およそ30年以上に1回という割合でまれに現れる気象状況。気圧、気温、降水量などの気象要素がその指標となる。
 異常気象ということばは、第二次世界大戦前は、さまざまな気象災害をもたらす大気現象に対し、ごく一般的に用いられていた。それは、台風や、晩霜をもたらす移動性高気圧など、なにか人間にかかわり合い目だつような気象はすべて異常気象とよばれていた。現在も一般的には、このような意味で用いられることもある。
 第二次世界大戦後、日本には、駐留軍が英語で女性名をつけた台風が頻繁に来襲し、被害を与えたが、これらの記録を残すために、当時の中央気象台(現気象庁)でまとめられたものが『異常気象報告』であった。この報告の内容のほとんどは台風に関する諸資料、調査をまとめたものであった。このようにきわめて漠然とした内容をもつことばとして用いられてきた異常気象が、特別な意味をもつようになったのは、1960年代の初めからのことである。
 1963年(昭和38)1月、日本付近の月平均気圧は平年よりおよそ10ヘクトパスカルほど低くなったが、平年値からのこの偏りは標準偏差のおよそ5倍にあたり、正規分布を仮定すると、これはおよそ10万年に1回の異常低圧となるのである。他方、グリーンランド、アイスランド方面ではこの月の月平均気圧が平年値より25ヘクトパスカル以上も高くなり、これもその地域の標準偏差の5倍以上となった。北半球における月平均気圧のこのような大きな偏りは、きわめてまれな形の気圧配置が北半球に1か月余りにわたって持続したためにおこったことである。その気圧配置は、当時進められていた古気候学の研究から、氷河時代の気圧配置に類似していることが判明し、1960年代に顕著な気温の下降をみせた北極海の東半球側の状況から、このような変動がなお持続するなら、やがて近い将来に氷河時代が再来するのではないか、ということが当時懸念されたのである。
 しかしその後、1970年代になって北極海方面の気温変動の傾向は上昇に転じ、だいたい1990~2010年の20年間で温暖化が加速している。1963年1月ほどの異常気圧配置は現れてはいないが、数十年に一度といった異常気象の下限の線をはるかに超えた、何百年、何千年に一度といったまれな異常気象が、猛暑、冷夏、暖冬、寒冬、豪雪、干魃(かんばつ)、長雨、日照不足など、毎年さまざまに姿を変えながら現れ続けている。またその異常気象は、社会経済活動だけでなく、水と食糧の問題を介して、全地球的な規模で、人間の生存に対して大きな影響を与えている点が注目されているのである。
 1970年代以降の日本および世界のおもな異常気象はのとおりであるが、特徴点として次のことがあげられる。
(1)高温と低温、もしくは少雨と多雨というように、両極端の状態が時間的にも空間的にも共存する形で現れている。
(2)まれな程度が顕著になればなるほど、異常気象の規模は時間的にも空間的にもスケールが大きくなる。
(3)地球の温暖化に伴い、異常高温の発生の増加が顕著で、異常低温は減少傾向にある。[根本順吉・青木 孝]

原因

気候はエルニーニョ/南方振動現象のような数年スケール、さらに長い数十年スケールでも変動している。南方振動現象とは、不順なインドの夏のモンスーン(季節風気候)と干魃の原因を探る過程で発見された大気の現象で、これとエルニーニョ現象が結び付いていて世界各地に異常気象を引き起こすといわれている。現象的には、異常気象は、気候の体系が遷移期間をもちながら変わっていくときに現れる現象とみることができる。遷移期間は旧体系と新体系の平均的な気候状態が共存する期間とみられるが、われわれがすでに経験してきた旧体系を標準とする限り、非常にまれな状態であっても、新しい体系からみるならば、ごく通常の状態であるというような形で異常気象は現れているように思われる。そこでさらに問われるのは、なぜそのような体系の変動がおこっているのかということである。これについてはさまざまな要因が列挙されるが、これを総合した原因の説明はまだできあがってはいない。
 さしあたり原因と考えられる事象をあげるならば、自然的地球内原因としては、(1)大気固有の気候の長い周期変動、(2)大気組成成分の変化(たとえば自然的な二酸化炭素の変化など)、(3)火山活動、(4)海洋の表面水温の異常、(5)極地の雪氷状態の変動、などがあげられる。
 また、自然的地球外原因としては、(1)太陽活動の変化、(2)地球の軌道要素の変化、があげられる。
 現在はこのような自然的原因のほかに、人間活動による人為的原因が全地球的規模で考えられるが、これについては、(1)大気汚染、(2)海洋汚染、(3)人為的な二酸化炭素やフレオンガス(フロンガス)の増加、(4)自然改造による影響、などがあげられる。大気は一つの巨大なシステムとして、以上の各要因から複雑な影響を受けていると考えられる。[根本順吉・青木 孝]
『朝日新聞科学部編『異常気象』(1977・朝日新聞社) ▽根本順吉著『異常気象を追って』(1979・中央公論社) ▽根本順吉著『氷河期が来る――異常気象が告げる人間の危機』(1980・光文社) ▽土屋巌著『地球は寒くなるか――小氷期と異常気象』(1981・講談社) ▽朝倉正著『異常気象に備える』(1981・日本経済新聞社) ▽中島暢太郎著『気象と災害』(1986・新潮社) ▽根本順吉著『地球に何がおきているか――異常気象いよいよ本番』(1987・筑摩書房) ▽小村寿太郎著『気象をはかる』(1988・日本規格協会) ▽光田寧編著『気象のはなし2』(1988・技報堂出版) ▽山本龍三郎著『気象異常――フロン・酸性雨・森林破壊・温暖化』(1989・集英社) ▽根本順吉著『熱くなる地球――温暖化が意味する異常気象の不安』(1989・ネスコ) ▽朝倉正著『異常気象と環境破壊』(1990・読売新聞社) ▽地球環境工学ハンドブック編集委員会編著『地球環境工学ハンドブック』(1991・オーム社) ▽根本順吉著『世紀末の気象』(1992・筑摩書房) ▽日本農業気象学会編著『平成の大凶作』(1994・農林統計協会) ▽高橋浩一郎・朝倉正著『気候変動は歴史を変える』(1994・丸善) ▽丸山健人ほか著『大気とその運動』(1995・東海大学出版会) ▽鈴木一雄原作『お天気なぜなぜ質問箱』(1996・大蔵省印刷局) ▽泉邦彦著『地球温暖化とオゾン層破壊』(1997・新日本出版社) ▽農林水産省農業環境技術研究所編著『21世紀の食料確保と農業環境』(1998・養賢堂) ▽能沢源右衛門著『天気図と気象――その描き方と見方』(1998・成山堂書店) ▽村松照男監修、オリンポス著『気象のしくみ――図解雑学』(1998・ナツメ社) ▽気象庁編『今日の気象業務』平成11年版(1999・大蔵省印刷局) ▽村山貢司著『異常気象――多発する裏に何があるのか』(1999・ベストセラーズ) ▽能沢源右衛門著『気になる気象の話』(1999・成山堂書店) ▽馬場邦彦著『図解早わかりお天気ブック』(2000・舵社) ▽奈須紀幸監修、浅井冨雄編『ここまできた! 環境破壊――総合的な学習に役立つ6 異常気象とこれからの地球』(2000・ポプラ社) ▽植田宏昭監修、保坂直紀著『図解雑学 異常気象』(2000・ナツメ社) ▽真木太一著『大気環境学――地球の気象環境と生物環境』(2000・朝倉書店) ▽ジャック・シャロナー著、平沼洋司日本語版監修『台風と竜巻――なだれからエルニーニョ現象まで異常気象を一望する』(2000・同朋舎刊行、角川書店発売) ▽宮沢清治著『天気図と気象の本――天気図を見るとき読むとき書くとき』(2001・国際地学協会) ▽気候影響・利用研究会編『エルニーニョと地球環境』(2001・成山堂書店) ▽嶋村克・山内豊太郎著『天気の不思議がわかる本』(2002・廣済堂出版) ▽気象庁編『気象業務はいま――IT時代の気象情報サービス』2002年版(2002・財務省印刷局) ▽住明正著『エルニーニョと地球温暖化』(2003・オーム社) ▽佐伯理郎著『エルニーニョ現象を学ぶ』(2003・成山堂書店) ▽気象庁編『異常気象レポート2005』(2005・気象業務支援センター) ▽根本順吉著『超異常気象――30年の記録から』(中公新書) ▽浅井冨雄著『異常気象はこう進む』(小学館文庫)』

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世界大百科事典内の異常気象の言及

【気候】より

… 大気現象では,気候で表されるような大気の正常状態から著しくかけ離れた状態が起こることがある。これが異常気象で,人間生活に重大な影響をもつ異常気象災害が起こることが多い。WMOでは世界各国の気象庁から異常気象の報告を求めるときに,25年以上に1度の確率でしか起こらぬ現象を異常気象の目安としたが,日本でも気象学上の異常気象の目安としては,平年値に対応して30年に1度の確率でしか起こらない現象を取り上げることが多い。…

【気象災害】より

…大雨,強風,干ばつなどの異常な気象現象が原因となって生ずる災害をいうが,原因となる異常気象現象の種類や空間的・時間的規模およびそれによって被害を受ける対象によって種類は多岐にわたっている。 比較的激しい異常気象現象としては,強風,大雨,大雪(吹雪),降ひょう,砂あらし,黄砂などがあり,激しいというよりは持続的な異常気象現象としては,季節風,長雨,長期積雪,猛暑,干ばつ,冷夏,寒冬,暖冬などがある。…

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