日本大百科全書(ニッポニカ) 「ずきがし」の意味・わかりやすい解説
ずきがし
徳島県の郷土料理。徳島産のサトイモは質がよく、家庭料理の総菜によく利用される。サトイモの茎を「ずいき」というが、ずきがしは「ずいきかきまぜ」から転じた名前である。この地方では、ずいきを「ずき」といっている。作り方は、ずいきの皮をとり、6センチメートルぐらいに切って水にさらしてあくを除き、短冊に薄く切る。鍋(なべ)に少量の油を熱してずいき1、2個を入れ、泡が消えてから残りのずいきを入れ、杓子(しゃくし)で押し付けるようにしてよく炒(いた)め煮する。別鍋に少量の酒を入れ、砂糖、しょうゆ、酢の順に適宜加え、火が通ったところをずいきの鍋に注ぎ入れる。よくかき混ぜて、ごま少々を加える。
[多田鉄之助]