酢の物(読み)すのもの

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

酢の物
すのもの

新鮮な魚介類,野菜類,海藻類などを合せ酢を用いて調味したもの。酸味が清涼感を添え,食欲を起させる。材料は,酢洗いをする,塩で締める,ゆでる,熱湯を掛けるなどの下調理をする。特に魚介類は新鮮なものを選ぶことが大切である。合せ酢には,二杯酢,三杯酢,甘酢,ごま酢,黄身酢などがある。材料を十分冷やし,食べる直前に合せ酢を掛けるのが酢の物のこつである。

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和・洋・中・エスニック 世界の料理がわかる辞典の解説

すのもの【酢の物】

野菜・魚介類・海藻などを合わせ酢で和えた料理。きゅうり・うどなどの野菜、たこ・なまこ・いか・あじなどの魚介類、わかめ・もずくなどの海藻などがよく用いられる。合わせ酢は、二杯酢・三杯酢のほか、甘酢・からし酢・みぞれ酢・土佐酢・ごま酢などを用いることもある。

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世界大百科事典 第2版の解説

すのもの【酢の物】

魚貝類,野菜,海藻などを材料にして,合せ酢をかけたり,あえたりする料理。古代から行われていたなます)から分化して,室町時代以降〈酢あえ〉〈あえまぜ〉〈酒浸(さかびて)〉などと呼ばれていた料理を包括した呼称で,料理書では《料理早指南》第4編(1804)などに見えるが,一般ではより古くから使われていた言葉のようで,尾張藩士朝日重章の《鸚鵡籠中記(おうむろうちゆうき)》元禄13年(1700)8月14日条に〈醋物〉と見えている。

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大辞林 第三版の解説

すのもの【酢の物】

魚肉・貝・野菜・海藻などを加減酢であえた料理。なます。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

酢の物
すのもの

魚貝類、野菜、海藻類、果物などに調味酢を加えた料理をいう。酸味は、古代では主として果実または材料そのものを自然発酵させてつくっていた。酢の物の材料として、鳥類では鶏肉が多く用いられ、魚貝類ではタイ、ヒラメ、タラ、アジ、イワシ、カラスガイ、ハマグリ、カキ、アカガイ、アサリなどが使われる。甲殻類ではエビ、カニ、軟体動物ではイカ、タコ、野菜類ではダイコン、ニンジン、小カブ、蓮根(れんこん)、キュウリ、シロウリ、トマト、ハクサイ、レタス、ウド、ネギ、ワケギ、海藻ではワカメが多く使われる。二杯酢(生酢(きず)にしょうゆ、塩を加えたもの)、三杯酢(二杯酢に砂糖と酒、またはみりんを加えたもの)、甘酢(みりんを全体の4割分煮つめ、それと同量の酢を加えたもの)などの調味酢を、材料に応じて用いる。さらに旨(うま)酢(甘酢にかつお節のだしを加える)、吉野酢(甘酢に葛(くず)またはかたくり粉を加える)、緑(みどり)酢(キュウリの緑の部分をおろし、塩を加えて旨酢とあわせる)、黄身酢(吉野酢に卵黄を加える。白身魚、カニなどに適する)、ごま酢(吉野酢にごまのすったものを加える)、絹酢(吉野酢にすった豆腐を混ぜたもので精進和(あ)えに適する)など、いろいろな調味酢が用いられる。[多田鉄之助]

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世界大百科事典内の酢の物の言及

【なます(膾)】より

…刺身がなますから分化するのは室町中期ごろのことで,細切りのものを合せ酢であえた物をなます,なますよりも大きく切り,タデ酢,ショウガ酢,煎酒(いりざけ)などの調味料を別器で添えるのを刺身と呼ぶようになった。現在では酢の物の呼称が一般的で,なますの名はわずかにダイコンとニンジンのせん切りを材料とする紅白なます,それに干柿を加えた柿なますなどに残るだけとなった。また,地方によってはアジなどの肉をみそとともにミンチ状にたたいたものを沖なます,たたきなますと呼ぶこともある。…

※「酢の物」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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