セツ・ふだんぎ・けがれる・なれる

普及版 字通 の解説


17画

[字音] セツ
[字訓] ふだんぎ・けがれる・なれる

[説文解字]
[金文]

[字形] 形声
声符は(じ)。金文では邇近(じきん)の邇の意で、その初文。〔説文〕八上に「私なり」とあり、ふだん着をいう。また〔詩、風、君子偕老〕「是れを袢とす」の句を引く。いま紲袢(せつぱん)に作る。に邇近の意があり、金文の〔毛公鼎〕に「(わ)が事」とあり、〔詩、小雅、雨無正〕「曾(すなは)ち我が(せつぎよ)」というのと近い。狎の意に用い、また便器をもいう。

[訓義]
1. ふだんぎ、はだぎ、したぎ。
2. けがれる、いやしい。
3. なれる、ちかづく、あなどる。
4. 便器。

[古辞書の訓]
和名抄 今按ずるに俗語、虎子、於保保(おほつぼ)/ 師乃波古(しのはこ)〔字鏡〕 ナレタリ・カサヌ・キヌ・ケ 〔字鏡集〕 ケコロモ・カサヌ・キヌ・ナズラフ・シヅカナリ・ウフ・マト・ナレタリ・ヨシ・キキテ・ウク・ワザ・ツネニ・ヲサム・ユタカナリ・ナリハヒ

[語系]
siatは同声。は〔説文〕七上に「日に狎して、相ひ慢(かろ)んずるなり」とあり、と同義。戯をいう。は執声の字とは声義が異なる。(産)(うぶすな)に植樹する形、執は手に械(かせ)を加えた形である。

[熟語]

[下接語]
・私・猥

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

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