化学辞典 第2版 の解説
セルロースキサントゲン酸塩
セルロースキサントゲンサンエン
cellulose xanthogenate, cellulose xanthate
アルカリセルロースと二硫化炭素の反応によってつくられる,セルロースのジチオカルボン酸エステルのナトリウム塩.1892年,イギリスのC.F. Crossらによってはじめてつくられ,ビスコースレーヨンおよびセロハン製造の中間体となる.
工業的には,アルカリセルロースにセルロース量の約35% に当たる二硫化炭素を加えると,常温で反応が起こり,3~10時間で,セルロースキサントゲン酸塩が得られる.生成物は副反応生成物のために赤褐色をしている.純粋の生成物は白色の粉末で,水分を吸収するとしだいに分解する.これを希アルカリ水溶液に溶解したものがビスコースである.[別用語参照]セルロース誘導体
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報