日本大百科全書(ニッポニカ) 「アルカリセルロース」の意味・わかりやすい解説
アルカリセルロース
あるかりせるろーす
alkali cellulose
セルロースとアルカリ金属水酸化物との反応生成物のことをいい、アルカリ繊維素ともいう。もっとも一般的なナトリウムセルロースは、セルロースを水酸化ナトリウム水溶液に浸漬(しんし)すると得られる。その性質は、セルロースの種類、アルカリ溶液の種類や濃度、処理方法などにより異なり、アルカリセルロースの構造を簡単に決めるのは困難である。ナトリウムセルロースは、二硫化炭素との反応により製造されるビスコースレーヨンの原料として以前は用いられたが、現在ではメチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース(CMC)、硫酸セルロースなどセルロース誘導体の合成原料として重要である。
[谷利陸平]
[参照項目] |