日本大百科全書(ニッポニカ) 「セーベリー」の意味・わかりやすい解説
セーベリー
せーべりー
Thomas Savery
(1650―1715)
イギリスの技術者。コーンウォール地方シルストン生まれ。軍事技術者であり、任務の余暇を機械の発明に費やした。ガラス磨き機、外輪船の発明に続き、水蒸気の凝縮と水蒸気圧を利用した「火によって揚水するポンプ機関」を発明した(1698年特許権取得)。コーンウォール地方は優秀な錫(すず)鉱山があり、鉱山での浸水の危険性をみて育った彼はこのエンジンを『鉱夫の友』(1702)に紹介したが、実用例はごく少数報告されているだけである。水蒸気を用いたエンジンで初めて成功したニューコメンは、セーベリーのエンジンをよく知っており、1733年まで特許権はセーベリー側が握っていた。
[高山 進]
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