ゼン・よわい・やわらかい

普及版 字通 の解説


9画

[字音] ゼン
[字訓] よわい・やわらかい

[説文解字]

[字形] 会意
而(じ)+大。而は髪を切って(こん)とし、結髪しない形。大は人の正面形。巫祝の正面形。而に従う(たい)を、〔説文〕九下に「罪、に至らざるなり」とし、また(ぜん)八上に「なり」、儒に「柔なり」とあり、みな一系の字。需は金文に作る形の字があり、その天は頭の人。需は雨乞い、儒はそのような巫祝の徒から出ている。〔説文〕十下に「稍(すこ)しく大なり」とするが、その意が明らかでなく、・需の系列の字によってその義を考えるべきである。

[訓義]
1. よわい、やわらかい。
2. しりぞく、ちぢむ。
3. と通じ、うごめく。

[古辞書の訓]
名義抄 ヤハラカニ 〔字鏡集〕 ウタガフ・ハバカル・ウラサブ・ヨキカタチ・ヤハラカナリ・マス

[声系]
〔説文〕に声としてなど十四字を収める。は弱、は好、蠕動(ぜんどう)することをいう。

[語系]
njiuanは同声。(ぜん)は〔説文〕三下に「柔なり」とあり、獣皮の意であるが、瓦はふぐりの形。ゆえに柔の意がある。また、然・njianは声近く、熱をかけて柔らかとなり、ねじける意がある。

[熟語]



6画

(異体字)
5画

[字音] ゼン
[字訓] よわい・やわらかい

[説文解字]

[字形] 会意
尸(し)+叉(さ)。〔説文〕八上に「柔皮なり」とあり、〔段注〕に「大徐はに作りて曰く、或いは(いう)に從ふと。小徐はに作りて曰く、或いは叉に從ふと。疑ふらくは、に從ふを是と爲す」とするが、理由をのべていない。赧(たん)はに従い、〔説文〕十下に「面慙(は)じて赤きなり」という。は人の後部に手を加える形。柔のところに触れるので、面慙・愧赧の意となる。(ぜん)声の字と声義が通じる。

[訓義]
1. よわい、やわらかい。
2. ・臑と声義が通じる。

[古辞書の訓]
〔字鏡集〕 ヨハシ・コトワリ

[語系]
)・njiuanは同声。(ぜん)は獣の臥す形で、瓦はそのふぐり、柔の部分をいう。はその柔のところにふれる意。・臑はの繁文。〔説文〕のいう「柔皮」とは「皮を柔ぐ」ではなく、柔皮の部分をいう。赧の形義によって、の形義を知るべきである。

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

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