日本大百科全書(ニッポニカ) 「ゼードルマイア」の意味・わかりやすい解説
ゼードルマイア
ぜーどるまいあ
Hans Sedlmayr
(1896―1984)
オーストリアの美術史学者。第一次世界大戦に参加し、戦後、ウィーン工科大学で建築を学んだが、ウィーン大学のドボルザークの講義に感銘を受け、美術史学に方向を変えた。第二次大戦中はウィーン大学教授、のちミュンヘン大学、ザルツブルク大学の教授を歴任。初めバロック美術、ゴシック建築などの領域で業績をあげ、さらに近代・現代の美術についても研究。美術史における作品解釈のために構造分析の方法論を取り入れ、またイコノロギー(図像解釈学)論に関しても独自の見解を示す。主著に『中心の喪失』(1948)、『美術史の理論と方法』(1956)、『光の死』(1964)などがある。
[鹿島 享]