そそくる(読み)ソソクル

デジタル大辞泉 「そそくる」の意味・読み・例文・類語

そそ‐く・る

[動ラ四]
せわしく指先を働かせる。あれこれといじる。
「めづらかなる薬玉くすだませむなど言ひて―・りゐたるほどに」〈かげろふ・下〉
いそがしそうに物事をする。
心一つをちぢになして、立ち居つつ、おまし所の塵払ひ―・りて」〈落窪・一〉

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精選版 日本国語大辞典 「そそくる」の意味・読み・例文・類語

そそ‐く・る

  1. 〘 他動詞 ラ行四段活用 〙
  2. 手でもてあそぶ。あれこれいじる。なでる。
    1. [初出の実例]「若しは摩して、若しは捺(ソソクル)」(出典:斯道文庫本願経四分律平安初期点(810頃)一〇)
  3. 忙しそうに物事をする。せわしく事をする。また、「はらいそそく」「そそくりつくろう」「そそくりふす」など、他の動詞と熟して用いることが多く、その動作を忙しそうにする意を添える。そそく。
    1. [初出の実例]「心一つをちぢになして、たちゐつつ、おまし所の塵払ひそそくりて」(出典:落窪物語(10C後)一)

そそく・る

  1. 〘 自動詞 ラ行四段活用 〙そそける
    1. [初出の実例]「草履そそくり、かち地して窶れはてたる旅衣」(出典:浄瑠璃・賢女の手習并新暦(1685)五)

そそく・る

  1. 〘 自動詞 ラ行下二段活用 〙そそくれる

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