ソゾメノス(その他表記)Sōzomenos

改訂新版 世界大百科事典 「ソゾメノス」の意味・わかりやすい解説

ソゾメノス
Sōzomenos

5世紀前半,キリスト教教会史家。生没年不詳。パレスティナ出身で,コンスタンティノープル法律家として活動。教会史家ソクラテスと同じく,エウセビオスを受け継ぎ,《教会史》9巻をギリシア語で著す。時代は323-425年を扱う。先輩格のソクラテスの《教会史》を利用したが,キリスト教の拡大に関する記述は別の資料を用い,前者より詳しい。公平を期そうとして,教義論争の扱いに問題を残し,後代,異端として非難された。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ソゾメノス」の意味・わかりやすい解説

ソゾメノス
Sōzomenos, Salamanēs Hermeios

[生]400頃.ガザ近郊ベセレア
[没]450頃.コンスタンチノープル
ビザンチン帝国の教会史家。コンスタンチノープルで弁護士をするかたわら『教会史』 Historia ekklēsiastikē (9巻) を著わし,324~425年までを扱った。同じ教会史家ソクラテスの『教会史』の補足修正を心がけ,文体的にはこれを上回っている。歴史史料としての価値は使用した資料を無批判に引用したことによりそれほど大きいとはいえない。

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