ゾロアスター教神殿(読み)ゾロアスターきょうしんでん(英語表記)Zoroastrianism palace

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ゾロアスター教神殿」の意味・わかりやすい解説

ゾロアスター教神殿
ゾロアスターきょうしんでん
Zoroastrianism palace

ゾロアスター教において,主神アフラ・マズダの子として神格化された聖火を祀り,拝火儀礼を行うための建物。アケメネス朝ペルシアの遺構には,イラン高原のナクシェ・ロスタムの神殿 (→ナクシェ・ロスタム遺跡 ) がある。これは石灰岩の切り石積み直方体をなし,正面に石造の階段がつく。四隅に柱形,2,3層に見せかけの窓があり,壁面矩形のくぼみの装飾が施されている。ササン朝時代の基本的形式は,正方形を示す幾何学的な設計で四面にアーチをかけ,スキンチを介して中央にドームを載せたもので,イラン高原各地にみられる。これを中心にした大規模な遺跡もある。アフラ・マズダより王権が授与されたことから,ナクシェ・ロスタムの神殿で王の即位式が行われた。7世紀以降イスラム教に圧倒されたが,イスラム建築に与えた影響は大きい。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

お手玉

世界各地で古くから行われている遊戯の一つ。日本では,小豆,米,じゅず玉などを小袋に詰め,5~7個の袋を組として,これらを連続して空中に投げ上げ,落さないように両手または片手で取りさばき,投げ玉の数や継...

お手玉の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android