タカネザクラ(読み)タカネザクラ(その他表記)Prunus nipponica

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「タカネザクラ」の意味・わかりやすい解説

タカネザクラ(高嶺桜)
タカネザクラ
Prunus nipponica

バラ科の落葉高木。本州中部以北の高山帯に生え,ミネザクラとも呼ばれる。葉は長さ4~8cmの倒卵形で縁にはあらい重鋸歯が目立つ。5~6月,赤褐色の新葉と同時に淡紅色サクラに似た花を2~3個ずつ開く。果実は小さい球形の核果で,8月頃に黒く熟する。北日本には本種の変種葉柄花柄に毛の多いチシマザクラ P. nipponica var. kurilensisがある。

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世界大百科事典(旧版)内のタカネザクラの言及

【サクラ(桜)】より

…一般にサクラと総称しているものは,主として北半球の温帯と暖帯に分布しているバラ科サクラ属サクラ亜属の主として落葉性の樹木で,花がいっせいに開花して美しいものが多く,広く観賞されている。日本にはヤマザクラ,オオヤマザクラをはじめ,カスミザクラ,オオシマザクラ,マメザクラ,エドヒガン,チョウジザクラ,ミヤマザクラ,タカネザクラなど10種類ほどの自然種を基本として,変種や品種をあわせると約100ほどの種類が野生している。サクラ類の多くは陽樹で,しかも二次林を構成する生長の速い種が多いため,人家で栽植するにも好適であり,これらの野生種から多数の園芸品種が育成され,その数も200から300といわれる。…

※「タカネザクラ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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