色名の一つ。紅くれないともいう。JISの色彩規格では「あざやかな赤」としており、文章表現では紅赤と同じだが、色を数値で表した場合は紅赤よりも少し濃くなっている。一般に、キク科ベニバナの花びらから紅色素を抽出して染めた濃い赤のこと。ベニバナの異名は「呉くれの藍あい」で、中国の呉の国から伝えられたことを意味している。当時は青や赤にかかわらず、染料のことを藍と呼んでいたとされる。染色のほか、口紅など化粧にも用いた。現代では国が表彰する紅綬褒章の綬(リボン)は紅色。また「国旗及び国歌に関する法律」によって、日本の国旗「日章旗」の赤い丸「日章」は紅色と定められている。
出典 講談社色名がわかる辞典について 情報
1 くれない色。べに色。「暗紅色」
2 顔色の美しいこと。
「類なき貴妃の―」〈謡・皇帝〉
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〘名〙 赤く鮮明な色。くれない。
※万葉(8C後)一九・四一九二「桃の花 紅色(くれなゐいろ)に にほひたる 面輪のうちに」
〘名〙
① くれない色。べにいろ。赤色。
※源平盛衰記(14C前)一八「身は紅色(コウショク)と成りて、紅蓮地獄の衆生の如し」 〔李覯‐秋晩悲懐詩〕
② 顔色のうつくしいこと。顔をうつくしくよそおうこと。また、その顔。
※光悦本謡曲・皇帝(1516頃)「類なき貴妃の紅色芙蓉のくれなゐ色かへて」
〘名〙 鮮やかな赤い色。くれない。べに。こうしょく。
※雪中梅(1886)〈末広鉄腸〉上「紅色(ベニイロ)の墨汁(インキ)あり」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報