たたらぶき

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「たたらぶき」の意味・わかりやすい解説

たたらぶき(踏鞴吹)
たたらぶき

日本古来の直接製鉄法たたらは高さ 1.2m程度,幅 0.6m,長さ 2.5mぐらいの長方形の開口炉で,小鉄 (こがね) という砂鉄鉱と木炭を交互に層状に装入し,底部側面に並べてうがたれた羽口 (はぐち) から送風吹錬する。送風が強く炉温が高いと溶鉄が炭素を吸収して製品に銑鉄 (ずく) が多くなり,炉温が低ければ炭素の少いけらが多くなる。それぞれずく押し,けら押しという。溶錬が終ると数日冷却後,炉をくずして底の鉄塊を取出し,砕いてけらと銑鉄を選別する。そのなかで良質のものを玉鋼 (たまはがね) といい,るつぼ溶解に回す。操業はすべて村下 (むらげ) という技術者が指揮する。この技術は洋式製鉄法渡来後衰微し,一時とだえていたが,資料標本は日立金属安来工場 (島根県) に保存され,1977年島根県横田町に伝承技術保存の意味で工場が開かれた。

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