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直接製鉄法 ちょくせつせいてつほうdirect iron making

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

直接製鉄法
ちょくせつせいてつほう
direct iron making

製銑-製鋼の過程によらず,鉄鉱を直接還元して鉄を得る方法。乾式法と湿式電解がある。乾式法は,還元剤として一酸化炭素,水素,固体炭素などを用いて酸化鉱を還元するもので,炉は竪型炉 (シャフト炉) ,回転円筒炉 (ロータリーキルン) ,電気炉反射炉,平床炉 (パドル炉) ,固定層炉 (レトルト) ,流動層炉,火床炉など非常に多様である。なかには実用上過去の遺物となったものもあるが,電気炉法以外はだいたい低温還元なので製品の質はよい (→クルップ=レン法 ) 。湿式電解は磁硫鉄鉱を原料として塩酸で浸出し,陽極黒鉛,陰極ステンレス鋼で電解して鉄を得た例があるが,いまは行われない。いわゆる電解鉄というのは,屑鉄を陽極原料として塩化物浴または硫酸塩浴で精製鉄を陰極に析出させたもので,製鉄法とはいえない。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

直接製鉄法
ちょくせつせいてつほう

鉄鉱石から比較的低温で鉄を半溶融または固体の状態で還元する製鉄法。現在の製鉄法の主流である高炉‐酸素転炉法は、いったん溶銑をつくり、その後酸化し適当な組成の鋼をつくる間接製鋼法であり、これに対し直接という表現を用いている。高温を得る技術や耐火物が未発達な時代は直接製鉄法により鉄をつくっていたが、産業革命以後、大量生産に適する間接製鋼法にとってかわられた。しかし近年、大型高炉に必要なコークス用の強粘結炭を産出せず、還元ガスの豊富な地域、小規模の鉄鋼生産で足りる地域、あるいはスクラップに相当する鉄源を必要とする地域で本法が顧みられ、多くの工場が操業を始めている。とくに中南米、中近東、東南アジアなどの発展途上国での今後の伸びが期待される。固体還元剤を用いるロータリーキルン法、還元ガスを用いるシャフト炉法、レトルト炉法、流動層法、低品位の鉱石、石炭を用いる方法なども行われてきている。主として低温還元であり、硫黄、リンなどの不純物も少なく、現在各方法とも技術改良が続けられている。直接製鉄法では高炉法のような還元時の脈石のスラグ化、分離が不可能であるので、鉄分65%以上の高品位ペレットpellet(10~20ミリメートル程度の球状に丸めたもの)や塊鉱石を用い、金属化率90%以上の還元鉄として、電気炉による製鋼原料とされる。
 日本では還元用のガス、電力の価格の面から直接製鉄法は適さないが、蓄積された技術を基に海外各地の工場の建設、操業に協力している。[井口泰孝]

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