溶錬(読み)ようれん(その他表記)smelting

精選版 日本国語大辞典 「溶錬」の意味・読み・例文・類語

よう‐れん【溶錬・熔煉】

  1. 〘 名詞 〙 鉱石から、溶融を伴う冶金法により金属を得ること。溶融を伴う精錬
    1. [初出の実例]「鋼を煉成するには、一旦熟鉄となしたるに、木炭末を加へ、罏中に交互敷填し、火を加へて熔錬すれば」(出典:米欧回覧実記(1877)〈久米邦武〉二)

溶錬の補助注記

「溶」は「熔」の書き換え。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「溶錬」の意味・わかりやすい解説

溶錬
ようれん
smelting

鉱石の製錬あるいは粗金属の精製を,溶解状態で実現させる方法をいう。その間の反応によって還元溶錬と酸化溶錬に分けられる。鉄鋼の製錬を例にとると,高炉で酸化鉄の鉱石から銑鉄を得るのは還元溶錬であるが,平炉や転炉の製鋼過程は銑鉄中の炭素,ケイ素,リンなどの不純物を酸化して除去するのだから酸化溶錬である。同じ溶鉱炉でも銅の場合は,原鉱が鉄を多分に含む硫化鉱で,その硫化鉄を酸化して鉱滓化するので酸化溶錬であり,鉛の場合は酸化焙焼鉱を還元するのだから還元溶錬である。それぞれの場合に応じ,燃料,造滓溶剤,還元剤,風量ないし酸素量は,正確に計算して装入しなければならない。高圧空気または酸素を送って操業する場合は吹錬という語もよく使われる。

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