タルクイニウス・スペルブス(英語表記)Tarquinius Superbus, Lucius

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説

タルクイニウス・スペルブス
Tarquinius Superbus, Lucius

伝説的な古代ローマ第7代かつ最後の王 (伝説では在位前 534~510) 。第5代の王タルクイニウス・プリスクスの息子か孫とされ,第6代の王セルウィウス・ツリウス女婿となったが,王を殺し王位についた。ラテン諸市の征服カピトリヌス丘のユピテル神殿の奉献,ガビイ人との条約などの業績があるとされるが定かでない。スペルブスは傲慢の意で,またその王子がルクレチア (貴族のタルクイニウス・コラチヌスの妻) を強姦したこともあってユニウス・ブルーツスらの反乱により追放され,ローマ王政は終焉した。その後他の都市やエトルリア王ポルセンナを説いてローマに対抗しようとしたが失敗,クマエのアリトデムのもとに逃れそこで死んだとされる。

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世界大百科事典(旧版)内のタルクイニウス・スペルブスの言及

【タルクイニウス家】より

…古代ローマの王家。タルクイニウス・プリスクスTarquinius Priscus(在位,前616?‐前579?)とタルクイニウス・スペルブスTarquinius Superbus(在位,前534?‐前510?)がそれぞれ第5,第7代の王位に就いており,また第6代目の王セルウィウス・トゥリウスは当王家の一員として養育されたと伝えられる。2人のタルクイニウス王はエトルリア人で,セルウィウスをも含めて3代にわたるエトルリア系王政時代にローマは都市を建設し,国制を整え,ラティウム随一の強力な都市国家として発展した。…

【ユピテル】より

… 一方,国家神としてもさまざまの呼称を付して呼ばれたが,最も重要なものはユピテル・オプティムス・マクシムスJupiter Optimus Maximus(〈最善最大のユピテル〉)である。これはローマ最後の王タルクイニウス・スペルブス(前6世紀後半)のころに落成したカピトリヌス丘上の大神殿に,エトルリアの影響を受けて,彼の妃のユノ,娘のミネルウァ両女神とともに三位一体の形でまつられていたユピテルで,毎年2人ずつ選ばれるコンスル(執政官)は,就任に際してまずこの神殿にもうで,国家に対する前年同様の加護を祈願した。また将軍はここで犠牲を捧げてから遠征に出発し,大勝利をおさめて帰還したときの凱旋式も,この神殿における儀式で幕を閉じるならわしであった。…

※「タルクイニウス・スペルブス」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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