改訂新版 世界大百科事典 「ダウケミカル会社」の意味・わかりやすい解説
ダウ・ケミカル[会社]
Dow Chemical Co.
アメリカ第2位の総合化学メーカー。本社ミシガン州ミッドランド。カナダ生れのアメリカの化学者ダウHerbert Henry Dow(1866-1930)が1897年にミッドランドに設立した。電解プロセスによる臭素の製造から出発し,マグネシウム,塩素,苛性ソーダなどの製造へと事業を拡大,第2次大戦が終わるころにはアメリカ有数の化学メーカーに成長した。1947年,旧ダウ・ケミカル社の資産・事業を継承し,デラウェア州に新ダウ・ケミカル社が設立登記された(本社としてはミッドランド)。50年代には生産拠点をミッドランドからテキサス,ルイジアナへと拡大した。海外進出は比較的遅く,60年代からヨーロッパ,カナダへ積極的に進出した。この結果,60年に15%程度であった海外売上高比率は,70年に40%,2004年には63%に達した。売上構成は化学品14%,機能化学品17%,プラスチック類48%,炭化水素製品10%,消費者向け特殊化学品29%となっている。売上高402億ドル(2004年12月期)。
執筆者:清水 敏聖
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報