日本大百科全書(ニッポニカ) 「チアントール」の意味・わかりやすい解説 チアントールちあんとーるthianthol 皮膚寄生虫などの除去に用いられる薬剤で、硫黄(いおう)の化合物。1919年にドイツのバイエル社で創製された。古くから疥癬(かいせん)の治療に外用で用いられている。帯黄色の粘性の液で、不快でない弱いにおいを有する。疥癬虫、ケジラミなどの皮膚寄生虫のほかに、白癬菌など皮膚糸状菌に対しても強力な発育阻止作用を有する。また、鎮痒(ちんよう)・消炎作用もあり、軟膏(なんこう)、外用液剤として塗布して用いる。日本薬局方にはイオウ・サリチル酸・チアントール軟膏、複方チアントール・サリチル酸液が収載されている。[幸保文治][参照項目] | 疥癬 | ケジラミ | 白癬 出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例