改訂新版 世界大百科事典 「チバガイギー会社」の意味・わかりやすい解説
チバ・ガイギー[会社]
CIBA-GEIGY AG
スイス最大の医薬・化学メーカー。医薬品では世界のトップクラス。本社バーゼル。1970年にチバ社CIBA AGとガイギー社J.R.Geigy S.A.が合併してできた。チバ社は1859年クラベルAlexander Clavelがバーゼルで始めた染色工場がその前身で,84年にGesellschaft für Chemische Industrie in Baselとなった。合成染料の製造からスタートし,19世紀末ごろからは医薬品の製造に着手,1930年代からは尿素樹脂,ホルマリン樹脂などプラスチック分野に進出し,45年に社名をCIBA AGと改称。50年代には農業用殺菌剤,写真用薬品,獣医薬品へと事業を拡大した。J.R.Geigy S.A.は1758年バーゼルに薬局として創業され,その後染料,香料さらに農薬,医薬の分野に進出した。チバ・ガイギー社の売上構成は医薬品39%,農薬23%,工業製品38%となっている(1995)。日本には100%子会社日本チバガイギーがある。なお,チバ・ガイギー社が開発した整腸剤キノホルムとスモンとの因果関係が裁判で争われている。売上高207億スイス・フラン(1995年12月期)。
執筆者:清水 敏聖
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報