日本大百科全書(ニッポニカ) 「キノホルム」の意味・わかりやすい解説 キノホルムきのほるむchinoform 各種細菌や赤痢アメーバなどの原虫による疾患に有効な内服可能の殺菌剤。腸管からの吸収が少なく、消化管内の殺菌や腸内異常発酵の抑制に有効なため、細菌性の下痢症の治療に腸内殺菌剤、止瀉(ししゃ)剤(下痢どめ)として繁用されたが、1970年(昭和45)スモンの一原因としてその副作用が重大問題となり、医薬品としての製造販売が禁止された。[幸保文治][参照項目] | スモン 出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「キノホルム」の意味・わかりやすい解説 キノホルムchinoform ヨウ素含有量 43%,灰黄色で無味,無臭,無刺激性,水にほとんど溶けない粉末。外傷の手当てに用いるほか,無害な整腸剤として大腸炎,赤痢などに多用されていたが,1965年から 69年にかけて,岡山県井原市を中心に多発したスモンの原因にキノホルム剤中毒説が出され,70年9月厚生省が内服用としての販売,使用を禁止した。 出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報