チブルス(英語表記)Tibullus, Albius

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「チブルス」の意味・わかりやすい解説

チブルス
Tibullus, Albius

[生]前60頃
[没]前19
ローマのエレゲイア詩人。富裕な騎士階級に属し,内乱の間に所有地の一部を没収されたが,生活には困らなかった。文芸保護者メッサラのサークルに属し,ホラチウス親交があった。作品は『チブルス全集』 Corpus Tibullianum (4巻) に編集されているが,彼が出版したのは最初の2巻 16編で,その他は同じサークルのリュグダムス女流スルピキアの詩を含めて死後に出版された。第1巻は大半がデリアと呼ぶ女性に対する愛と失恋の歌,第2巻の半数は遊女ネメシスの不幸な恋を歌っている。愛と並ぶ彼の主要テーマは田園生活の平和と農夫の静かな幸福である。メッサラの誕生日に寄せた歌もある。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

プラチナキャリア

年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...

プラチナキャリアの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android