チムー王国(読み)チムーおうこく(英語表記)Chimú kingdom

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「チムー王国」の意味・わかりやすい解説

チムー王国
チムーおうこく
Chimú kingdom

11~15世紀にかけてペルー北部の海岸地帯に成立した王国。ペルー北部のトルヒーヨ付近のチャンチャンを首府とし,月信仰を基礎にドラゴンの神殿,パラモンガの要塞など巨大な建造物を伴う多くの都市を建設し,その版図は北はピウラ谷から南はカスマの谷に及んだ。特にチャンチャンはこれらのなかでも最大の規模をもつ都市で,整然と区画された地域には神殿,宮殿,灌漑施設,貯水池などがあった。また土器 (特に黒色土器 ) ,織物,金属工芸にすぐれた技術をみせている。発掘されたこれらの遺跡の状態から,貴族平民,奴隷などの階級社会や中央集権的な国家組織が存在したものと思われるが,15世紀のなかば頃アンデスに興ったインカ帝国に征服された。

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