チャプルテペク(その他表記)Chapultepec

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「チャプルテペク」の意味・わかりやすい解説

チャプルテペク
Chapultepec

メキシコ中部,メキシコ市西縁部にある丘 (比高約 60m) 。アステカ族の言語ナワトル語で「バッタの丘」を意味し,古くから歴史的に重要な役割を果してきた。 13世紀後半,この地にやってきたアステカ族が丘を要塞化し,メキシコ盆地統合後はここに神殿と王城を建設した。スペイン人による征服 (1521) 後は聖堂が建てられ,1780年代には副王の夏の宮殿の建設が始り,この宮殿は 1841年国立士官学校となった。アメリカ=メキシコ戦争 (1846~48) に際しては,メキシコの最後の砦となり,士官学校の生徒を含む約 5000人がこの丘で死闘を続けたが,陥落。ここを突破したアメリカ合衆国軍は 47年9月 14日メキシコ市に入城。 60年代に再建された王宮は,その後メキシコ大統領の官邸となったが,1940年国立歴史博物館に変った。現在この丘にはほかに国立人類学博物館をはじめとするいくつかの博物館があり,美しい公園もあって,メキシコ市の市民の文化や憩いの中心となっている。

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