飲み物がわかる辞典 「チリワイン」の解説
チリワイン
チリ産のワインの総称。ワインの輸出額は、フランス、イタリア、スペイン、オーストラリアに次いで世界第5位(FAO統計2008年)。南北に細長い国土のなかで、砂れき質土壌で昼夜の寒暖差が大きい中央部がぶどう栽培に適しており、マイポ・バレー、ラペル・バレーなどが主産地となっている。生産量は赤ワインのほうが多く、代表的な栽培ぶどう品種はカベルネソービニヨン、シラー、メルロ、カルメネールなど。カルメネールは、19世紀半ばにフランスからチリに導入され、フランスではフィロキセラという害虫により壊滅状態となった後もこの地に根付いた赤ワイン用の品種。チリでは長期にわたり外観の似たメルロ種と混同されていたが、1990年代に別品種として本種の存在が確認されたもので、ブレンド用のほか単独で品種名ワインもつくられるようになり、チリワインの個性の一角を担う品種となった。