日本大百科全書(ニッポニカ) 「チレンブエ」の意味・わかりやすい解説
チレンブエ
ちれんぶえ
Chilembwe
(?―1915)
アフリカ、ニアサランド(現マラウイ)の初期民族運動家。少数民族ヤオの出身。19世紀末アメリカに留学し、終末論を唱えたペンシルベニアのラッセル牧師の影響を受けたJ・ブースに師事。帰国後、1900年に独立教会を創立、終末のあとの千年王国の到来と、アフリカ人の現在の苦しみがなくなり、白人支配のない新しい時代がくることを布教し、ブランタイア地方を中心に信者を広げた。とくにブルース農場でのアフリカ人への過酷な重労働、重税を批判し、そのため独立教会は焼き払われた。15年1月ムランジェ山麓(さんろく)のマゴメロ農場を襲い白人3名を殺したため、植民地政府軍が出動し反乱は2週間で鎮圧され、チレンブエは戦死した。
[林 晃史]