チンドゥアマト(その他表記)Cindua Mato

改訂新版 世界大百科事典 「チンドゥアマト」の意味・わかりやすい解説

チンドゥア・マト
Cindua Mato

インドネシアスマトラ島ミナンカバウ族の代表的カバ。カバkabaはマレー文化圏に見られる口承物語の一種で,本来は韻文形式をとり,歌うようにして語られる。カバはあるできごとの叙述を通じて,アダット(慣習法)にのっとった人間のあるべき姿や行動規範を示すことが多い。《チンドゥア・マト》は叙事詩ともいえるもので,成立年代は不明であるが,ミナンカバウ王家の起源にまつわる伝説を物語る。主要登場人物は,女王ブンド・カンドゥアン(〈真の母〉の意味),その息子ダン・トゥアンク,そしてチンドゥア・マト(女王の女官の息子)で,主人公の冒険を描きつつ,王権の理想の姿やミナンカバウ世界のあり方を説く。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

関連語 加藤

ローマ法王ともいう。ラテン語 Papaの称号はカトリック教会首長としてのローマ司教 (教皇) 以外の司教らにも適用されていたが,1073年以後教皇専用となった。使徒ペテロの後継者としてキリスト自身の定...

教皇の用語解説を読む