ツェワン・アラプタン(読み)ツェワン・アラプタン(その他表記)Tse-wang Araptan

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ツェワン・アラプタン」の意味・わかりやすい解説

ツェワン・アラプタン(策妄阿拉布坦)
ツェワン・アラプタン
Tse-wang Araptan

[生]1665?
[没]1727
ジュンガル・ハン国第5代のハン (在位 1697~1727) 。姓はチョロス。 1697年抗争関係にあったガルダン (噶爾丹)の死後即位。西方経営に従事し,サマルカンド,ブハラからも貢納を取った。 1701年ボルガ・カルムイクの内紛に乗じ,王権を拡張。 17~19年チベットが清朝の保護下に入るのを恐れて遠征軍を送ったが失敗,20年和議を結んだ。同じ頃ロシア軍とも戦い,これを撃退。治世中ジュンガルの農業,工業,商業が栄え,ジュンガル王国に全盛期をもたらした。

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世界大百科事典(旧版)内のツェワン・アラプタンの言及

【ジュンガル】より

…96年清の康熙帝の率いる軍に決定的敗北を喫して,97年アルタイ山中で急死した。しかしジュンガル王国はガルダンの後を継いだその甥ツェワン・アラプタン(在位1697‐1727)とガルダン・ツェリン(在位1727‐45)父子の時代が最盛期で,この間にチベットの内紛に干渉して兵をラサに入れ(1717),また外モンゴリアの領有を清と争った(1731‐32)。 ガルダン・ツェリンの没後,王国に内紛が相次ぎ,その勢力は急激に衰えた。…

※「ツェワン・アラプタン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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