テトラゾール(英語表記)tetrazole

改訂新版 世界大百科事典 「テトラゾール」の意味・わかりやすい解説

テトラゾール
tetrazole

窒素4原子を含む5員環芳香族複素環化合物。1H-1,2,3,4-テトラゾールと2H-1,2,3,4-テトラゾールの互変異性体として存在し,両者室温で分離することはできない。

無色板状結晶で融点155℃。昇華性がある。水,エチルアルコール,アセトン可溶で,エーテルベンゼンに難溶。金属塩を加熱したり強くたたくと爆発する。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

化学辞典 第2版 「テトラゾール」の解説

テトラゾール
テトラゾール
tetrazole

CH2N4(70.05).N原子4個とC原子1個からなる複素五員環の名称.アジ化水素HN3と乾いたシアン化水素HCNを縮合させてつくられる.(a),(b)の互変異性体があり,溶液で両異性体を分離することはできないが,フェニル置換体では,両異性体を単独に得ることができる.無色の板状結晶.融点156 ℃.水,エタノール,アセトン,酢酸に可溶,エーテル,ベンゼンに難溶.いくぶんの芳香族性をもち,酸化に対して比較的安定である.N原子についたH原子はプロトンとしてとれやすく,水溶液酸性を示し,また金属と置き換わる.金属置換体は爆発性がある.[CAS 288-94-8]

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

今日のキーワード

プラチナキャリア

年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...

プラチナキャリアの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android