テトラヒドリドアルミン酸塩(読み)テトラヒドリドアルミンサンエン

化学辞典 第2版 の解説

テトラヒドリドアルミン酸塩
テトラヒドリドアルミンサンエン
tetrahydridoaluminate

遊離酸は得られていないが,Li,K,Na,Cs,Mg,Caなどの塩M[AlH4]が得られている.とくにLi塩は用途も広い.Li塩は,エーテル中でAlCl3とLiHとの反応で得られる.また,AlとMH(M = Li,Na,K,Csなど)を加圧水素中で加熱反応させると,それぞれの塩が得られる.エーテル中でLiAlH4と金属水素化物との反応で各金属塩が得られる.たとえば,テトラヒドロアルミン酸リチウムLiAlH4(37.96)(通称,水素化アルミニウムリチウム)は,単斜晶系結晶.純粋なら無色であるが,市販品はAl金属を含み灰色が普通.正四面体型のAlH4を含む.Al-H約1.55 Å.乾いた空気中であれば室温でも安定である.湿気があれば分解する.水,アルコール類はすみやかに反応して,LiOH,Al(OH)3,H2 になる.エーテル,THFに可溶.120 ℃ で分解して,空気中でこすると室温でも発火することがある.強い還元性をもち,アルデヒドケトン,酸塩化物,エステルなどをアルコールに,芳香族ニトロ化合物をアゾ化合物に,ニトリルをアミンに還元し,無機金属塩もヒドリド錯体や金属にかえる.ほかの水素化物の製造原料,有機反応還元剤(とくに特定の還元反応用),エーテルやTHFの脱水剤などに用いられる.ほかのアルカリ金属塩も似た性質をもつ.[CAS 16853-85-3:Li[AlH4]][CAS 19469-81-9:AlH4]

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

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