法則の辞典 「テフラ年代学」の解説 テフラ年代学【tephrochronology】 火山の大噴火によって,莫大な量の火山灰(テフラ)が噴出すると,これが広域にわたって堆積する.この組成はかなり均一性が高いし,地質学や考古学の歴史に比べると火山噴火ははるかに短時間の事象であるから,同時性を確かめるための有効な手段である.アメリカ大陸のように火山が西端部分に分布していると,この堆積物は広範囲で検出可能であるが,わが国でも有名なものとしては,アカホヤテフラ(鬼界カルデラの噴火,7.3ka),ATテフラ(姶良カルデラの噴火,26ka)のほか,長白山(白頭山,10世紀),鬱陵島(10.7ka),富士山(宝永の噴火,1707年),浅間山(15ka,1108年,1783年),十和田湖(15ka,8ka,6ka),榛名山(6世紀),樽前岳(1667年,1739年)などのテフラによる遺跡の年代決定が行われている(単位のkaは一千年(以前)を意味する). 出典 朝倉書店法則の辞典について 情報