朝鮮半島の東岸から東方40kmの海上にある島。韓国,慶尚北道鬱陵郡に所属する。面積72km2。人口1万1244(1995)。新生代第三紀ごろ噴出した鐘状火山が形成した島で,玄武岩および石英粗面岩からなる険峻な山地によって覆われている。最高点は標高984mの聖人峰。海岸へかけて緩斜地がかなり分布するが,海岸は海食崖となっている。古代,于山(うざん)国が形成されていたが,512年新羅の異斯夫(いしふ)によって統合された。島民は農業と漁業に従事している。水田が若干と畑地が約1000haあり,いも類,麦類などの食糧作物と肉牛飼育中心の農業が行われている。また近海にリマン・対馬両海流が交錯する魚種の豊富な漁場があり,天府港を基地に漁業が行われているが,その経営はおおむね零細である。緯度に比べて南方系の常緑闊葉樹が多い独特の植生を示しており,アオギリ,ビャクシンなどの自生地が天然記念物に指定されている。集落が山岳によって相互に孤立しているため,隣村へ行くにも船に頼る。半島部の浦項との間に定期航路が開かれている。
執筆者:谷浦 孝雄
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韓国(大韓民国)、江原道(こうげんどう/カンウォンド)東方の海上にある孤島。面積72.56平方キロメートル、人口1万0146(2000)。新生代第三紀末に噴出した粗面岩と安山岩からなる火山島で、中央北部に上下2段のカルデラがあり、下段が羅里盆地で本島唯一の平野である。最高峰の聖人峰(984メートル)は外輪山にあたり、海岸は海食のため断崖(だんがい)をなしている。本島は古代には于山(うざん)国という独立した部族国家であったが、のちに新羅(しらぎ)に帰属した。1914年以後、慶尚北道(けいしょうほくどう/キョンサンプクド)の管轄するところとなり、現在は近隣の諸島を含め、鬱陵郡を形成している。朝鮮半島の最多雨地の一つで、年降水量は1485ミリメートルであるが、とくに冬の降雪量が多く、ウデギという特殊な家屋構造でこれに備えている。道洞(どうどう)は郡庁所在地で、浦項(ほこう/ポハン)との間に定期船が運航している。
[森 聖雨]
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