事象(読み)ジショウ

デジタル大辞泉 「事象」の意味・読み・例文・類語

じ‐しょう〔‐シヤウ〕【事象】

ある事情もとで、表面に現れた事柄現実出来事現象。「自然界の事象
数学で、試行結果起こる事柄。例えば、さいころを投げるという試行の結果からは一から六の目のどれかが出るという事象が起こる。
[類語]事物物事現象出来事余事余所よそ他事他人事人事ひとごと雑事諸事事件時事事柄事故異変大変急変変事大事だいじ大事おおごと小事細事些事世事俗事私事しじ私事わたくしごと用事珍事不祥事アクシデントハプニングセンセーション

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精選版 日本国語大辞典 「事象」の意味・読み・例文・類語

じ‐しょう‥シャウ【事象】

  1. 〘 名詞 〙
  2. いろいろの物事や現象。
    1. [初出の実例]「その詩と想と体と所詠の事象と」(出典:比興詩を論ず(1905)〈角田浩々歌客〉六)
  3. 数学で、試行の結果起こる事柄。たとえば、賽(さい)を振るという試行に対しては、一の目が出る、偶数の目が出る、四以上の目が出る、などの事象が考えられる。

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改訂新版 世界大百科事典 「事象」の意味・わかりやすい解説

事象 (じしょう)
event

数学用語。偶然現象において,起こりうるそれぞれの可能性に対して確率を対応させようとするとき,その対象となる事柄が事象である。数学的には次のように記述される。例えばさいを投げる場合,それぞれの目が出るのはいろいろな偶然に支配される結果と考え,それら偶然をパラメーターωで表す。1の目が出たのはω1が支配した結果,2の目はω2が,……,6の目はω6が支配したものと考える。これらωを根元事象と呼び,根元事象の集合を事象という。正しいさいなら各ωに1/6の確率を与えることになる。偶数の目がでる事象は集合{ω2,ω4,ω6}であり,その確率は各根元事象の確率の和3×1/6=1/2である。起こりうる可能性が無限個ある場合でも,それが可算個であれば,根元事象ω1,ω2,……,ωn,……を考え,さいの場合と同様にそれらの集合としての事象やその確率を決めることができる。しかし,測定値誤差のように偶然の値が連続量となる場合,数学的記述は複雑になる。パラメーターωの全体(それは非可算無限集合)をΩとし,Ωの部分集合の族で次の条件を満たすものをBとかく。(1)ΩB,(2)A1A2,……,An,……がすべてB要素なら和Bに属する,(3)ABならばAcΩAB。このときBの要素を事象といい,事象AcA余事象と呼ぶ。また,二つの事象AB共通集合が空であるときに,両者は排反(排反事象)であるという。事象Aに確率PA)を与えて確率空間ΩBP)が得られる。それはPΩ)=1である測度空間にほかならない。このような空間のうえでは無限個の事象や極限なども含め複雑な偶然現象を数学的に厳密に扱うことができる。
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百科事典マイペディア 「事象」の意味・わかりやすい解説

事象【じしょう】

確率の用語。ある試行または観察(たとえば,さいころを10回振る)を行った結果起こり得るいろいろな場合のうち,ある条件(たとえば1の目が3回出る)に当てはまるもの。→従属事象独立事象排反事象
→関連項目大数の法則

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ASCII.jpデジタル用語辞典 「事象」の解説

事象

「n個からr個を取り出す」というような、同じ条件下で繰り返し行うことのできる実験や観測など(試行)によって起こる結果のこと。

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普及版 字通 「事象」の読み・字形・画数・意味

【事象】じしよう

事況。

字通「事」の項目を見る

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世界大百科事典(旧版)内の事象の言及

【確率】より

…次いで18世紀に入り,ヤコブ・ベルヌーイの遺稿が,甥のニコラウスによってまとめられ,《推測法》(1713)として出版されたが,そこには順列,組合せを用いた確率の話が出てきて,しだいに確率論としての形態を整えてきたのであった。 ここでも創生期のように有限個の事象を扱った確率から話を始める。例えば,銅貨を投げるとき,それがゆがんでいないなら表の出る確率と裏が出る確率が同じであるとしてよかろう。…

※「事象」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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