日本大百科全書(ニッポニカ) 「デオキノコムシ」の意味・わかりやすい解説
デオキノコムシ
でおきのこむし / 出尾蕈虫
昆虫綱甲虫目デオキノコムシ科Scaphidiidaeの昆虫の総称。世界各地に分布し、森林地帯にすむ。少なくも900種が知られており、日本産は70種以上ある。体長1.5~6ミリメートルぐらい。体は黒色から赤褐色が普通で、上ばねに紋のあるものも多い。形は幅広い卵形から紡錘形まであるが、肩が張っていて前後に狭まるものが多く、上ばねは先が切断状で、尾節を露出する。キノコや朽ち木、落葉中、樹皮下などにすんでおり、幼虫もそれらの場所にすむ。
ヤマトデオキノコムシScaphidium japonumは体長は約6ミリメートル。黒くて上ばねの前後に赤か白の横紋があり、単にデオキノコムシともいう。同じ属の種はほかに12種産する。
[中根猛彦]