デゲネリア(その他表記)Degeneria vitiensis I.W.Bailey et A.C.Smith

改訂新版 世界大百科事典 「デゲネリア」の意味・わかりやすい解説

デゲネリア
Degeneria vitiensis I.W.Bailey et A.C.Smith

南太平洋のフィジー諸島にのみ分布する,1属1種のデゲネリア科の植物。常緑高木で30mに達する。多数の花弁おしべがあり,その内側に花弁そっくりの仮雄蕊(かゆうずい)があり,おのおのらせん配列している。被子植物のおしべは一般に細長い花糸の先に葯がつくが,デゲネリアでは花弁状の平らな花糸に葯が埋もれており,このおしべの形態はきわめて原始的と考えられている。心皮はシキミモドキ科によく似ているが,1個しかない。材には原始的な道管がある。双子葉植物の子葉はほとんど例外なく2枚だが,モクレン目の中には3~4子葉を生じる葉があり,本種も実生の半数ほどが3子葉である。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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