デビッソン‐ガーマーの実験(読み)でびっそんがーまーのじっけん

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

デビッソン‐ガーマーの実験
でびっそんがーまーのじっけん

光子粒子でもあり波でもあるという二重性をもつことから、電子も波動性を備えているのではないかと考えたド・ブローイの仮説を実証した最初の実験。1927年デビッソンとガーマーLester H. Germer(1896―1971)は、誤って酸化破損したニッケル製の陽極を水素還元と高温熱処理の修復をしてから約200電子ボルトの電子を照射したところ、写真乾板上の反射電子の模様に、それまで見たことのない異常を観測した。これは熱処理中に成長したニッケル結晶が原因と考えたデビッソンとガーマーは、ニッケル単結晶の製作に着手し1929年には結晶内原子の規則正しい配列によって電子の平面波が散乱された、精細な回折模様を観測した。観測した回折角が、プランク定数を電子の運動量で割った大きさのド・ブローイ波長に相当することも確認された。

[池上栄胤]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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