日本大百科全書(ニッポニカ) 「デル・エル・バハリ」の意味・わかりやすい解説
デル・エル・バハリ
でるえるばはり
Deir el Bahri
エジプト、西テーベにある遺跡。王家の谷と山を隔てて位置する窪地(くぼち)。地名は「北の修道院」を意味するアラビア語。キリスト教普及の初期に修道院があったからである。この地を王家の墓地として初めて選んだのは第11王朝の王メントゥホテプ1世で、王はピラミッド形の墓を築いた。続く4人のメントゥホテプという名の王もこれを継承した。その後、長期間放棄されていたが、第18王朝のハトシェプスト女王がこの地に注目し、メントゥホテプ諸王の墓のわきに自らの葬祭殿を築いた。その三層のテラス式神殿は、女王誕生とプント航海を描く壁画によって、形式上、内容上の高い価値をもっている。
[酒井傳六]
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