トクヒラ場所(読み)とくひらばしよ

日本歴史地名大系 「トクヒラ場所」の解説

トクヒラ場所
とくひらばしよ

近世の場所(持場)名。イシカリ十三場所の一つ。石狩川下流域に設定された。「松前随商録」にトクヒラとみえ、松前貢の給所。「蝦夷草紙別録」によるとトクヒラ場所は「領主御納戸」、すなわち松前藩主の直轄領で、請負人は江戸の大口屋宗九郎(運上金六〇両)。乙名レラシロマ・ヌカルアシカイ、小使イチブバケであった。夏商いは一八〇七年(文化四年)には米屋銭兵衛(運上金一〇〇両。ほかに鱒手限金七〇両)が請負い(「西蝦夷地日記」文化四年九月一日条)、一五年には阿部屋村山伝兵衛(村山家資料)、一八年以降は秋味とともに阿部屋の一括請負となる(「野帳巳第一番」松浦家文書)。場所の人別人口は一七八六年(天明六年)頃六四人(西蝦夷地場所地名等控)、八〇年代後期は四〇戸・一二〇人(近藤重蔵本「西蝦夷地分間」)、一八〇七年八一五人(「西蝦夷地日記」同年九月一日条)、一〇年一千一七〇人(「土人由来記」道立文書館蔵)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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