最新 地学事典 の解説
トルードス・オフィオライト
Troodos ophiolite
キプロス島の南西部に分布する白亜紀後期のオフィオライト。下位から順に,かんらん岩テクトナイト,苦鉄質-超苦鉄質キュームレイト,シート状岩脈群,枕状溶岩の層序をもつ。90km×30kmの細長い岩体で,中心部に深部が露出し同心円状の分布を示す。テクトナイトは,厚さ1,000m+で,ダナイトのレンズを含むハルツバージャイトである。キュームレイト(~1,600m)は,層状斑れい岩やダナイト,ウェールライトからなり,上部には閃緑岩やトーナル岩,斑れい岩が貫入する。シート状岩脈群は,幅5m以下の平行岩脈からなり,厚さ約700mで,緑色片岩相-角閃岩相の変成作用を受けている。枕状溶岩は,下部のSiO2に飽和した島弧ソレアイト系火山岩(~1,000m)と,上部のかんらん石斑晶を含むピクライトやボニナイト(~500m)などに区分される。沸石相の変成作用を受けているが新鮮なガラスを含む。ユーラシア,アフリカ両プレートの衝突により,間にあった沈込み帯に関係した拡大軸がオブダクトしたとされる。
執筆者:牧本 博・山崎 徹
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

